CDPとは

CDPは、ロンドンに本部を置く国際的な非営利団体です。

CDPの活動は、2000年に発足以来、投資家・企業・国家・地域・都市が自らの環境影響を管理するためのグローバルな情報開示システムを運営しています。

もう少しわかりやすくするために、CDPの活動を具体的に説明します。

例えば、機関投資家が連携し、企業に対して気候変動への戦略や具体的な温室効果ガスの排出量に関する公表を求めるプロジェクトがあります。

CDPから世界の主要企業に対して、温室効果ガス排出量や気候変動への取組に関する情報について、質問書を用いて回答を集めます。

集まった回答を分析・評価することで、各企業の取り組みの情報を、わかりやすくするために共通の尺度で公開しています。

CDPが重要視されるようになった背景としては、ESG投資などにおいて、企業の環境課題に対する取り組みを評価することが、より重要となってきていることが挙げられます。

CDPには環境情報の開示を企業に要請することに賛同する多くの機関投資家が署名しています。

2002年の第一回調査時点では、署名機関数は35件のみでしたが、パリ協定を経た2016年には署名機関数(気候変動プログラム)は800件以上にのぼり、これら機関の運用資産額は100兆米ドル(約1京1千兆円)を超えており、非常に大きな影響力をもつようになっています。

日本企業に対する調査は2006年に開始され、年次で調査が実施されています。2020年は500社の対象企業のうち、327社が回答しており、回答率は年々増加しています。

また、CDPの旧名称は、「カーボン・ディスクロージャー・プロジェクト(Carbon Disclosure Project)」でした。

これは企業による温室効果ガス排出量の見える化を意味するものでした。

しかし、気候変動への取り組みだけではなく、水資源や森林資源まで活動の領域がひろくなったので、2013年に「CDP」を正式な名前とされています。

CDPのフレームワークで温室効果ガス排出量に関する開示を行うメリットは統一性と信頼性です。

CDPによる情報開示がなされるまでは、各企業が個々の尺度で情報開示がしていたため、投資家などが企業を比較する際に、データを見づらいという問題がありました。

そこで、CDPによって共通の尺度で各企業の取り組みを見られるようになったことは、投資家などにとって大きなメリットとなっています。

また、CDPの信頼性が高いことも特徴の一つです。

CDPが収集する情報量は、今や世界最大の規模になっており、この調査結果は、機関投資家や社会的責任投資の指標であるDJSI(Dow Jones Sustainability Index)やFTSEなどの活動に広く活用されています。

CDPは次の3つを活動領域としています。

  1. 気候変動
  2. ウォーター(水資源)
  3. フォレスト(森林資源)

最初は、気候変動のみが活動領域でしたが、徐々にテーマが増えました。

それぞれの分野について、質問書に回答した企業に対し、最高位A、A-、B、B-、C、C-、D、D-、の8段階で評価がされます。