GHGプロトコルとは
GHGプロトコルとは、GHGプロトコルイニシアチブが作成したGHG(温室効果ガス)排出量の算定と報告の国際基準です。
GHGプロトコルは米国の環境シンクタンクWRI(World resources Institute)やWEBCSD(World Business Council for Sustainable Development)が主体となって、各国の政府機関も携わり開発された基準であり、GRIやCDP、RE100、SBTといった世界的なガイドラインから採用されており、強い存在感を発揮しています。
GHGプロトコルが策定した基準は次の3つです。
- Corporate Accounting and Reporting Standards (通称:Corporate Standard)
- Product Life Cycle Accounting and Reporting Standards(通称:Product Standard)
- Corporate Value Chain (Scope 3) Accounting and Reporting Standard (通称:Scope 3 Standard)
Corporate Standardは2001年に初版が発行されました。
2004年の改訂版においては世界各国の政府や団体、企業が温室効果ガス排出量を算定・報告する際に幅広く活用されています。
Product Standardは2011年にScope3 Standardと同時に発行されました。
Product Standardでは製品やサービス単位のCO2排出量の算定基準を定めています。
一方、Scope3 StandardではScope 1(スコープ1)、Scope 2(スコープ2)の自社内でのCO2排出量に加えて、事業活動のバリューチェーン全体でのCO2排出量を算定・報告基準を定めています。
Scope1、Scope2、Scope3の詳細はこちらをクリックしてください。
企業がGHGプロトコルに沿ってGHGインベントリ(温室効果ガス排出量の一覧)を作成するメリットは次の4つです。
1. リスク管理
GHG排出による企業への将来のリスクをヘッジすることや、管理することができる。
2. 情報公開
利害関係者への報告・説明責任を果たすことができる。
3. 市場可能性
排出量取引(排出権取引)制度に参加することができ、収益獲得の可能性がある。
4. 法的報告義務
IPCCによるEUの統合汚染防止・管理指令や炭素税などの法律への対応が可能となる。
企業がGHG排出量を算定する際に遵守すべき原則は次の5つです。
1. 妥当性
企業活動及びそれに関する意思決定によるGHG排出が適正に反映される境界条件が設定されること。
2. 完全性
当該企業および設定された境界条件内のすべての排出源および行動が反映されること。
3. 一貫性
GHG排出量の経年比較ができるよう、報告の前提条件に変化があった場合は明記すること。
4. 透明性
事実を基に報告し、算定根拠や前提条件を明示すること。
5. 正確性
実務上可能な範囲で必要な精度を確保し、報告内容の妥当性を評価できるような情報を記載すること。
上記のような原則を担保することはハードルが高い為、GHGプロトコルでは報告企業の内容が正確かどうか第三者機関による検証を受けることをおすすめしています。
第三者機関は報告期間の期中から選定する必要があり、報告企業と第三者機関が一緒になって算定方法や境界条件の設定を行うことがおすすめされています。
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