GRIとは、サステナビリティ報告書のガイドラインを制定している、オランダに本部を置く非営利団体です。

GRIは、Global Reporting Initiative(グローバル・レポーティング・イニシアチブ)の略称です。

GRIは、持続可能な経済への変化を促進し、管理することに貢献するために、サステナビリティ報告書への理解促進とその作成をサポートすることを目的としています。

企業や組織が持続可能に発展していくためには、自らの活動が経済・環境・社会にどのような影響をあたえるかを考えなければなりません。

非財務情報であるそれらの影響を、適切にステークホルダーに情報を開示していくために活用されるものが、サステナビリティ報告書です。

サステナビリティ報告書には法的な拘束力はないものの、企業が信頼性の高い非財務情報を公表することは、投資家が企業を比較することを容易にしたりする点で、ますます重要視されてきています。

GRIの具体的な活動としては、サステナビリティ報告書のガイドラインを示す「GRIスタンダード」の作成が有名です。

その他も、企業の報告書の質と信頼性をたかめるために、ガイドラインのみならず、サステナビリティ報告書などの作成に関する様々なサポートを行っています。

GRIスタンダードとは、GRIが作成した、サステナビリティ報告書のガイドラインを示すフレームワークです。

GRIスタンダードは、企業活動を環境、社会、経済の3つの側面から評価することを指標としています。

GRIスタンダード以前は、GRIガイドライン(直近のGRIガイドラインは、G4と呼ばれていました)が使用されていましたが、企業のサステナビリティ報告書の内容が充実してきたことを背景に、2016年にGRIスタンダードとして新しく公表されました。

また、GRIスタンダードと似たフレームワークにSASBスタンダードがありますが、違いについては、SASBで説明しています。

GRIスタンダードのメリットは、企業とステークホルダーの双方にあります。

1. 企業

企業は、GRIスタンダードに則したサステナビリティ報告書を用いて、企業が与えるインパクトを測定・分析・解釈・伝達することができます。これにより、企業の透明性と説明責任が確保され、ステークホルダーとの信頼関係を築くことができます。

2. ステークホルダー

投資家や消費者の場合は、企業がどれだけ社会に良い影響を与えているかを知るためのツールの1つとして、GRIスタンダードに則したサステナビリティ報告書を活用できます。例えば、投資家が投資先の企業を選ぶときや、消費者が商品を買うときに、商品の品質・価格だけでなく、企業のサステナビリティに関する活動を考えられれば、より社会に良い影響を与える行動をとることができます。


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