Scope1(スコープ1)とは
Scope1(スコープ1)とは燃料の燃焼や工業プロセスにおいて企業自身が直接排出した温室効果ガス排出量をいいます。
燃料の燃焼による温室効果ガス排出量とは、例えば期間中に燃焼したガソリンや軽油、LPGの物量or金額にそれぞれの排出係数を掛け合わせた結果をいいます。
工業プロセスにおける温室効果ガス排出量とは、セメントや鉄などの製造工程の中で化学反応が起き、発生した二酸化炭素CO2などの温室効果ガスにそれぞれの排出係数を掛け合わせた結果を言います。
例えばセメントが工業プロセス(製造工程)の中で温室効果ガスを排出するメカニズムは次のような流れです。
セメントは石灰石、粘土、けい石などをキルン等で焼成・急冷して得られるクリンカと呼ばれる焼塊を粉砕したものに、石膏、混合材等を添加して製造されます。
その中で、CaCO₃を主成分とする石灰石が焼成され、CaOを主成分とするクリンカになる際にCO2が排出されます。
具体的な化学式としては CaCO₃→CaO+CO₂となります。
工業プロセスにおける温室効果ガスはセメントや鉄の製造などに伴って排出されるものであり、Scope1を算出する際には大半の企業は工業プロセスにおける温室効果ガス排出量を意識する必要はありません。
燃料の燃焼による温室効果ガス排出量のみを算出する場合、大企業は省エネ法で既にエネルギーデータを管理されているため、既にあるデータから算定すれば済む場合が大半です。
しかしながら、法規制の対象となっていない中小企業にとってはエネルギーデータが整っておらず、手間がかかる可能性があります。
Scope1、Scope2の算出は昨今の大企業によるサプライチェーン排出量の管理など、中小企業にとっても避けられないこととなっております。
<関連用語リンク>