UNFCCC(気候変動枠組条約)とは、地球温暖化の防止に向けて、世界全体で貢献していくことを定めた国際的な条約です。
UNFCCCは、気候変動問題へのグローバルな対策の基盤として1992年に採択されました。
背景としては、1988年に設立されたIPCCによる報告などにより、気候変動に対する国際的な取り組みの必要性が認識され、国際的な取り組みに対する交渉が進められていました。
その後、ブラジルで開催された地球サミットで、155か国がUNFCCCに署名をしました。
※現在の締約国は197か国にのぼります。
UNFCCCの最終目標は、大気中の温室効果ガスの濃度を安定化させることにあります。
その目標のために、UNFCCCの全締約国は温室効果ガス削減計画の策定と実施、排出量の実績公表などが義務付けられています。
UNFCCでは、COPと呼ばれる締約国会議が毎年開催されます。
UNFCCCは、締約国に対し、地球温暖化防止についての枠組を規定していますが、具体的な削減の義務までは規定していません。
削減義務などのUNFCCCの補完や補強ついては、条約の締約国が集まって開催される締約国会議(COP: Conference of the Parties)に委ねられています。
締約国会議は毎年行われますが、中でも有名なものは、第3回締約国会議(COP3)と第21回締約国会議(COP21)があげられます。
1997年のCOP3では、京都議定書が採択され、先進国が達成すべき排出量の上限が定められました。
2015年のCOP21では、パリ協定が採択され、全世界の国々が地球温暖化の取り組むことを強化しました。
これらは、UNFCCCの目的を達成するための、具体的な枠組みです。
また、直近では第25回締約国会議(COP25)で、グレタ・トゥーンベリさんの演説が話題となったことも記憶に新しいです。
UNFCCCの第3条では、次の5つの原則が掲げられています。
- 共通だが差異ある責任
- 途上国への特別な状況への配慮
- 予防的措置
- 持続可能な開発
- 持続可能な経済成長のための国際経済体制の推進
締約国は、3つに分類されます。
先進国・途上国の取扱いを、「共通だが差異のある責任」の原則にもとづいて以下のように区別しています。
- 附属書Ⅰ締約国: 温室効果ガス削減目標に言及のある国(先進国及び市場経済移行国)※日本は1に該当
- 非附属書Ⅰ締約国: 温室効果ガス削減目標に言及のない途上国
- 附属書Ⅱ締約国: 非附属書I国による条約上の義務履行のため資金協力を行う義務のある国(先進国)
<関連用語リンク>
- IPCC